夢へ


さまざまな努力をして、

時には遠回りをして、

目的に直結しない努力も時にはしたりして。


目的に向かって進んでいるときには、その道程に注意をむけることが大切だ。私を助けてくれるのは、道そのものであり、また道が私を育ててくれる。目的に達することがよくなるか悪くなるかは、そこまでの道のりが一番重要なのだ。


このブログ2度目の登場ですが、これを覚えていてください。


結局僕が浪人したときも、結果よりもその過程が今の僕を支えてくれているわけだ。

だからその過程にこそ、重きをおかなくてはいけない。もちろん結果も大切だが。



長い目で見たとき、僕はあの高校野球時代はかけがえのない経験となるだろう。

それは別に、いい結果をだしたとか、そこそこ有名になったとかじゃない。


夏。いつ終わるかわからない、いやもはやただ目の前の練習に必死についていくだけの練習で学んだもの。帰りに、ガリガリ君を食べたあの頃。バカやって、日が暮れるまで練習して、次の日6時におきてまた練習にいく。

秋。新チームの初めての大会での高揚感。自分が通用するかわからないまま、打席に入ったあの緊張感。夜ボールがみえなくなっても、ひたすら投げ続けた練習。

冬。ひたすら走る。グラウンドに行かない日は、ひたすら筋トレをする。ライトをつけて、ノックをとる。バッティングをする。そして最後にまた走る。何キロ走ったかわからない毎日。

春。冬の練習の成果で、体が一回り大きくなる。そして投げたボールは、今までの自分と別人のようなストレート。それで三振とったときの気持ち。桜が咲き、周りは花見ムードの中、グラウンドで声をだしていたあの頃。

そして夏。今までの練習の成果がでる大会。3年生の引退。どんな選手にもドラマはある。



こうした1年を過ごしてきた僕は、勉強だけやっていい大学へいけたとかそういう人よりも、いい経験をしたと思う。高校野球は部活という枠組みを超えた、何かをもっている。


そうした経験が、今の僕を支えている。


今僕が目指している新たな夢も、

今後輩が目指している未知なる夢も、

きっと何物にも変えられない宝物になる。



野球部の彼らへ。

初戦。きっと不安と期待が入り混じるだろう。自分たちが春の大会以降の練習試合で負けなしで夏の大会を迎える自信と、相手の高校の情報が少ないという不安。でもきっと大丈夫。その試合で勝ったチームが強いんだ。だから勝ちにこだわれ。最後の最後まで気を抜くな。一歩を確実に踏み出せ。相手をひねりつぶせ。

2回戦。相手はそこそこの強豪だ。それに加え、シンドラー社のエレベーター事件で亡くなった生徒がセカンドでレギュラーを守っていた。だから注目されるだろう。それに周りの人間は、相手校が亡くなった彼のためにという想いで勝ち進むことを期待しているだろう。
圧倒的不利だ。スタンドも、そして審判さえも僕たちに味方はしないだろう。

でも覚えておけ。時には進む道で悪者になることもあるだろう。でも悪者にならなきゃ進めないんだったら、悪者になれ。

大切なのは相手を焦らせること。相手が、亡くなった奴のために頑張らなきゃと意気込んでいるところを利用しろ。勝負の世界は、その場でいる奴でやるんだ。もうこの世にいない人は、打たないし、守らない。


お前らだって、この夏にかけてきた想いは一緒だ。グラウンドの神様は公平だ。


そして、最後に亡くなった市川大輔君に黙祷をささげよう。



お前らは強い。野球部創部のときから見てきた自分が言うんだから間違いない。間違いなく2期生から今年の6期生の中で最強だろう。

時にはずる賢くなれ。そして勝て。

そして夢を叶えろ。自分の手で。

甲子園に行こうぜ。逆境を跳ね返して。



野球部助監督より。