決してよいことではないが


予備校教育は僕を救ってくれた。

というのは言いすぎだが、ある意味いいすぎでないところも怖い。


現役のときの俺は自分を見つめなおさないで、大学生になろうとしていた。やりたいことはなかったわけではない。当時はそんなことを思わなかったが、実際1年浪人してよくわかった。

浪人という時間は無駄かもしれない。それはたしかに否めない。でも僕にとっては、浪人という予備校時代が本当に今の自分に役立っていると思う。


浪人した人は今年もたくさんいると思う。去年の自分のように、やる気にみちあふれていたり、またやる気がなかなか起きなくて困っている人もいると思う。でも最後の試験の時は、みんな必死になってくる。それを忘れるな。みんな必死でその大学に入りたいんだ。

わかっている人にはいわなくてもいいことだが、野球でこんなことをよくいわれる。


「今打てないのは3ヶ月前の自分がバットを振っていなかったからだ」


勉強も同じだ。今成績がのびないのは3ヶ月前勉強していないからだ。



考えるという行為を本当にわからせてくれたのは予備校だった。予備校といっても受験勉強以外でも学ぶことはたくさんあるだろう。



『目的に向かっている進んでいるときは、その道程に注意を向けることがとても大切だ。その場所へ達するには、どの方法が一番よいか教えてくれるのは道そのものであり、そこを歩いていくわれわれを道は豊かに育ててくれる。』(「星の巡礼」より)