意識の持ち方〜打者編〜


練習にのぞむとき、どういう意識をもつか。


まず何がしたいか。「甲子園にいきたい」、「全国制覇したい」などの確認。


そのためには自分はどういう選手になればいいか。


野球にこんな言葉があります。


『一人一役』


これは僕が直接広島の広陵高校に訪れ、当時の中井監督から聞いた言葉です。その春広陵高校は全国制覇をしました。西村投手が印象的でした。「練習試合でもしましょう。私のポリシーとしてフルメンバーで全力だします。是非連絡ください。」といわれたのですが、僕が「広陵相手に投げる!?!?」と考えてしまい(多分うちの監督も同じこと考えていた)、結局練習試合を申し込むことはなかったのですがw。

正直野球の意識の高さでいったら、広陵高校はトップレベルです。一人一人の意識が違います。野球のレベルの高さは横浜やPLといった名門ですが、意識が高いところとして広陵高校佐久長聖などがあります。

佐久長聖は以前、個々の選手が常に小さいノートを持っており気がついたことなどを練習の合間などに書き込んでいくなど。また整備の仕方から、道具の扱いなど、見習う点ばかりでした。

広陵高校は設備、選手、そして監督。すべてそろっていたとおもいます。「一人一役」という言葉は広陵を支えていた言葉だといっても過言ではないでしょう。

どんな選手にも必ず役割はあります。たとえ補欠でも。詳しい話はまた今度。


自分への目標を決めたら、あとは具体的につぶしていくだけです。それを練習で行う、そして練習試合で確かめる。それを公式戦で発揮し、甲子園にいく。


では具体的にどこをどう潰すか。


ここからは野球の専門の話となります。今日は打者の練習での意識です。


打者としてどこの球を一番打てるようになることが大切か。とくに高校野球ではある場所を打てるようになるだけで、大きく成功するバッターになれます。それは






外角です。



意外と普通でした。なぜ外角か。

中堅以上になると、投手の制球力もなかなかです。その中でも高校生の投手となるとこういう心理が働きます。

「まずカウントを稼ごう。」→「ファールをうたせたい、または長打をうたれたくない。デットボールも与えたくない」→「外角に投げよう」

となります。僕自身、投手としても横浜商大佐久長聖など強豪高校の4番と対戦するときは「まず外角に投げよう」という心理があります。

そして大抵のバッターはうちません。

「外角を投げとけば」と投手の経験があります。外角に投げて打たれることはあまりないからです。



それを叩きます。


僕は高校入学してから高1の夏まで、練習試合に毎試合出場させてもらいましたが、ヒットはでたりでなかったり。でればラッキーぐらいの感覚でした。

夏に負けて、新しいチームになったときもそこそこ打てました。大体5番とか打っていました。

でもある夏合宿、「外角を打っていけ」と監督がいいました。その合宿では外角をとにかく打ちました。外角の球をセカンドゴロ。だんだん強いセカンドゴロを打てるようにし、そのうちライト前へと落ちました。

日付が変わる深夜までスイングをみてもらいました。そこで自分の高校野球のフォームが固まりました。


夏の最後の練習試合。3打数3安打で2本長打を打ちました。公式戦でも打ち、練習試合でも3試合連続3安打以上といった、「打席に入れば四球かヒット」といった状態がつづきました。その後入院し、体が思うように働かなくなったので少し調子は落としましたが、結局通算4割をのこせたということはそれなりには打てました。1年の秋は残念ながら試合数は少なかったのですが7割に近かったぐらいですからw。

ずるいようですが、大体外角の球でした。相手の盲点をつく。「外角に投げとけばあまり打たれない」という意識を利用し、外角を打つのです。


PL学園の前田君をみていればわかります。まず初球どこからなげるか。必ずといっていいほど「外角のストレート」。そして追い込んだときも「外角のストレート」。

投手は外角に投げることが多いです。とくに高校生ともなると、制球力にプロ選手ほど自信はないので内角に投げたがらないです。そして高校生で長打を打たれるときは大抵内角の球をうまく体が回ってライトオーバーといった感じが多いです。


内角は死球が怖い。そしてホームランを打たれるのもやだ。

真ん中なんてもってのほか。

じゃあ外角だ。


どんな高校と対戦しても大抵これでいけます。3年のとき神奈川県屈指の強豪校と戦ったとき、その当時のエースではないですが、2年生エース(まあつまり去年の夏のエース)と対戦し2打数2安打でした。どっちも外角でした。1打席目は初球でした。

そして、僕の経験から述べると


内角の打ち方をマスターするより、外角の打ち方をマスターするほうが簡単です。


内角はかなり難しいです。練習も必要ですし、才能もある程度必要です。体が反応しないときもあります。僕は内角は打たないようにしていました。ホームラン打つときは内角ですが。

外角は簡単です。1ヶ月でものにできます。

打点ポイントを覚え、

右腕の使い方を覚える。


それだけでいいのです。


余裕のある選手は内角の打ち方も覚えます。でもこれは上の二つに加え、腕のたたみ方を覚えなきゃいけません。そして内角練習には、少しリスクもあります。感覚が他の球と違うので、フォームを崩しやすいという点です。ですから冬に取り組む練習だとおもいます。


今からでも外角は大丈夫です。そしてそれを知って練習すれば、それだけでも意識は違います。

あと外角は単打が多くなります。でもそれだけで高校野球は十分です。単打すら打てない選手はいくらでもいますから。

でも僕も、そして僕が教えた後輩(今のキャプテン)も、外角は得意です。そして単打は多いです。それで十分なのです。でも実際筋力をあげると、右打者から右中間スタンドにいれることも可能です。それはもう個人の筋トレの成果によるでしょう。僕は、これは「右にひっぱる」といいます。右に打っているのだからもちろん流しているのですが、力を伝えきるとひっぱっている感覚と似ていることからこういってます。


これができるようになれば、もうかなりの成果はでるでしょう。