同じ気持ち

「この感覚はあの時と一緒だな」


そう思いながら勝どき駅から某所へ向かっていた。

何度も通った場所、何度も想い描いた自分の将来の職場。


辺りは暗く、おそらく社員の方々が駅へと向かっていた。その中、一人リクルートスーツをきた自分が人の流れに逆らうようにその場所へと向かった。



無情にもメールの文面にて「次のステップへお越しいただけないこととなりました」と書かれていた。心のどこかで、まだ希望があると信じていた私に対して憤りを感じた。

なぜダメだったのだろう

そう自問自答する日々が続いた。



就職活動全てが終わり、ある方に連絡をした。唯一社員訪問を2度させて頂いたこの会社の方だ。あの時、メールをうちながら自分は泣いてしまいそうであった。
そのメールに対し返信はなかなかなく、送ってから1週間近く経っていた。精神的に不安定な状態も解放され、やっと新しい道に進もうと決めた。

その良かったタイミングで、急に知らない番号から電話がかかってきた。電話に出ると、そのお世話になった方だった。


「大事な内容で返信遅れて本当にゴメン」いきなりそう言われて、びっくりもした。でもそういった誠意こそ、私がこの会社に入りたいと思った理由であったのだろうか。

そして昨日時間を作ってもらった。連絡をもらってから2日後と、無理矢理時間を作ってもらった気もして悪いなと思っていた。




夜にご飯でもということで、会社の下で待ち合わせをしたのだが、向かう途中悔しい思いが急にわき上がってきた。

なんで落ちたんだ。

どこがダメだったんだ。



1度収まった自分の気持ちは、再度わき上がってきた。この思いはどこかで経験したことあるなと思って振り返ってみると、大学受験の時であると思い出した。

京都大学に落ちて、自分は嫌になっていた。同じ思いをもっていた。


向かいながら、「あの時の思いをはらすチャンスがもらえたんだ」そう思った。ちょうど大学院をみていて、京都大学の大学院の受験も決めていた。ただ、試験が早いということと外部の合格者が少ないと聞いているところだったので、無理だと思っていた。でもこのチャンスを生かし、最大限努力し今度こそ受かり、そして2年後の就活でここに受かる。そう思った。


そんな思いを心に秘めながら、待っているとその方がやってきた。そして「もんじゃでも」ということで月島に向かった。


もんじゃやお好み焼きを食べながら、いろんな話をした。なんで自分が落ちたのか、どうすればよかったのか、率直にぶつけてみた。その方も率直に返してくれた。

くだらない話もしたし、これからの人生の話もした。とても楽しい時間だった。


その中で、「もっと視野をひろげよう」と自分で感じた。その方も「学生の3年間を使って、やりたいことをやりきりなよ」と言ってくれた。



帰り際、また飯食いにいこうと誘ってくれた。とても私は感謝し、これから頑張ろうと思った。

とにかく行動を起こさなくてはいけない。


勉強。

研究。

留学。

その他いろいろ。



スポーツクラブだけでなく、もっと世界をみなくてはいけない。これからの自分のためにも。

もっともっとフットワークを軽くして、自分に言い訳をしない。そして楽しみたいと思った。



院に進学することで残り半分の学生生活。自分は世界をみて、世界に何ができるのか考えていきたいと思う。大きな人間になるために。